今からできる防災対策|子ども・高齢者がいる家庭が備えるべきポイントとは?

地震・台風・豪雨・土砂災害など、日本では年間を通じて多くの自然災害が発生します。
とくに近年は、予測困難な規模の災害も増えており、「いつか起こるかも…」ではなく、「明日起こってもおかしくない」と捉える必要があります。
特に注意したいのが、子どもや高齢者と暮らす家庭。
体力や判断力に不安のある家族がいると、災害時の行動にも大きな影響が出ます。
そこでこの記事では、以下のような点を詳しく解説します:
- 家庭で今すぐ始められる防災対策とは
- 子ども・高齢者のいる家庭に必要な備え
- 日頃から意識しておくべき行動・知識
- 非常持ち出し袋や備蓄リストの作り方
- 災害時に「命を守る行動」をとるために
防災初心者の方でもすぐ実践できる内容をお届けします。
■ なぜ「今から」防災対策が必要なのか?
● 日本は災害大国
地震、台風、大雨、津波、噴火…。
日本は世界的にも自然災害の多い国です。過去には阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、大規模災害が各地で発生しています。
「その日」は突然やってきます。
だからこそ、「備える時間がある今」がとても重要なのです。
● 子ども・高齢者は被災時のリスクが高い
- 子ども → 判断力が未熟でパニックになりやすい
- 高齢者 → 体力・機動力の低下、持病の不安
そのため、事前の環境整備・準備・共有が何よりも大切になります。
■ 家庭でできる防災対策|基本のチェックリスト
まずは、どの家庭にも共通する基本的な防災対策から確認してみましょう。
1. 家の安全対策
- 家具の固定(突っ張り棒、L字金具)
- 落下物のないレイアウトにする
- ガラス飛散防止フィルムの貼付
- 非常口(玄関・窓)の確保
「家の中が一番危険」になることもあります。
寝室・リビング・子ども部屋など、家族が長時間過ごす空間の安全性を最優先で見直しましょう。
2. 家族で避難行動の共有
- 地震・火災・浸水などの際の避難ルートを確認
- 自治体のハザードマップを印刷・掲示
- 避難所・緊急連絡先を一覧でまとめておく
- 小さな子や認知症の家族にも分かるように説明
家族間で避難行動や集合場所を話し合っておくだけで、災害時の混乱を大きく減らせます。
3. 非常持ち出し袋の準備
非常持ち出し袋には「命をつなぐ最小限の道具」を入れます。
必要な基本アイテム:
- 飲料水(500ml×2〜3本)
- 非常食(カロリーメイト、ゼリー、缶詰など)
- モバイルバッテリー・懐中電灯
- 医薬品(持病がある場合は処方薬も)
- 衛生用品(マスク、消毒液、ウェットティッシュ)
- 着替え・タオル
- 家族写真・保険証コピー・連絡先メモ
これらはリュック1つにまとめて、玄関近くに保管するとよいでしょう。
■ 子どもがいる家庭の防災対策ポイント
子どもは自分で判断・避難する力が未熟です。
親が率先して「子どもの命を守る備え」を整えておく必要があります。
● ① 子ども用の持ち出し袋を作る
- 小型リュックにお菓子、飲み物、おもちゃなど
- 年齢に応じて着替え・紙おむつ・ミルクなども
災害時はストレスが大きくかかります。
安心できるグッズ(ぬいぐるみ・絵本など)を1つ入れておくと、子どもの心の支えになります。
● ② 災害ごっこ・避難訓練を家庭で実施
- 地震が来たら「ダンゴムシポーズ」(頭を守る)
- 火災が起きたら「口を覆って低い姿勢で移動」
- 避難所の場所を家族で歩いて確認する
遊びながら学べる形で防災意識を高めることが、子どもの命を守る力になります。
● ③ 保育園・学校の連携確認
- 災害時の引き渡しルールを把握しておく
- 学校に置いてある防災備蓄の内容を確認
- 緊急時連絡先の再確認・更新
■ 高齢者がいる家庭の防災対策ポイント
高齢者は災害時にパニックになりやすく、避難にも時間がかかります。
● ① 介助が必要な場合の避難方法を確認
- 階段昇降が難しい場合 → 避難所までの搬送手段
- 福祉避難所の確認(要支援者向け)
- 医療情報カードを作成(持病・服薬・かかりつけ医)
● ② 緊急連絡手段を確保
- スマートフォンの操作が難しい場合 → 家族が代わりに安否確認の段取りをする
- 緊急連絡先カードを常に携帯
● ③ 高齢者のストレス対策
避難生活で環境が変わると、認知症や持病が悪化することもあります。
普段からの生活リズムを守れる備え(薬・補聴器・眼鏡など)が重要です。
■ 災害に備える食料・水・衛生用品の備蓄リスト
避難所に行けない場合、自宅避難が必要になる可能性も考えて、最低3日分、可能なら1週間分の備蓄があると安心です。
● 備蓄しておきたい食品
- レトルト食品・缶詰・アルファ米・乾パン
- 栄養補助ゼリー・エネルギーバー
- ミルク・離乳食(乳児がいる場合)
● 備蓄する飲料水の目安
- 1人あたり1日3L × 3日分 = 9L(最低)
● 衛生用品
- トイレットペーパー・ティッシュ・おしりふき
- 簡易トイレ・消臭袋
- マスク・消毒液・生理用品
賞味期限や使用期限があるものは、ローリングストック(使いながら備える)がおすすめです。
■ 防災アプリ・サービスを活用しよう
スマホには災害時に便利なツールが多数あります。
● おすすめの防災アプリ
- Yahoo!防災速報
- NHKニュース・防災
- 地震速報アプリ(ゆれくるコール など)
- 自治体公式アプリ
● ハザードマップの確認方法
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
→ 自宅周辺の地震・洪水・土砂災害リスクを簡単にチェック可能
■ まとめ|大切なのは「今から少しずつ」
防災対策は、決して難しいことばかりではありません。
大切なのは「今からできることを、無理なく始める」ことです。
✔ 今すぐできること5つ
- 家の中の安全を見直す(家具固定など)
- 非常持ち出し袋を1つ用意する
- 家族で避難場所・ルートを話し合う
- 水・食料の備蓄を少しずつ始める
- ハザードマップと防災アプリを確認する
子どもや高齢者のいる家庭は、特にリスクが高くなりますが、その分「備え」が命を守るカギになります。
災害は「もしも」ではなく、「いつか必ず」やってきます。
その日に「備えていてよかった」と思えるように、今日から一歩を踏み出しましょう。